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売主および買主の手付解除権

 売主は、(理由のいかんにかかわらず)買主に受領済の手付金の倍額を支払い、買主も(理由のいかんにかかわらず)支払済の手付金を放棄して、それぞれ売買契約を解除することができる権利を有します。ただし、相手方が既に契約の履行に着手しているとき、または「標記」契約条件に定めた期日(手付解除の期限)を経過したときには、解除権を行使することはできなくなります。

 売主は、買主に物件の引渡しをしたあとにも責任を負うことがあります。

 その責任とは、一般に「売主の瑕疵担保責任」(民法第570条)と言われている責任のことで、売主に故意や過失がなくても負わなくてはならない責任(いわゆる無過失責任)です。したがって、その瑕疵(欠陥)が過去の地震や建築業者の責任で生じたものであっても負わなければなりません。

 その責任の対象とされる瑕疵(欠陥)は、いわゆる「隠れた瑕疵」の場合だけです。この「隠れた瑕疵」には一見表に現れているようでも、一般通常人の注意力では発見できないものも含まれます。したがって、このような瑕疵が発見された場合には、買主は、売主に対し、損害賠償の請求をすることができますし、その瑕疵(欠陥)のために住めないような状況であれば契約の解除をすることもできます。

「隠れた瑕疵」の具体例

〈土地の瑕疵〉
(1) 土質の欠陥(軟弱・陥没など)
(2) 土の中へのコンクリート基礎の混入など

〈建物の瑕疵〉
(1) 雨漏り
(2) 建物の傾斜
(3) 土台・柱・屋根・床下等の腐蝕、白蟻の被害など

〈心理的瑕疵〉
(1) 自殺・殺人・火災等の事件
(2) 近隣・同一マンション内の暴力団事務所の存在など


 なお、この責任は、(宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者以外の者が買主となる契約の場合を除き、)契約時にあらかじめ「瑕疵担保責任を負わない」旨の特約をすることはできます。特に建物が古い場合に、この特約を設け、価額で調整するということはよくあります。しかし、売主が「知っている瑕疵」について、そのことを買主に告げなかった場合には責任を免れることはできません(民法第572条) 。

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